(1)私が学生として東京の大学にいた1959年ごろには、「洗脳」はスターリンの恐怖政治専用の用語のように使われていた。
しかし、今から振り返ると、
(2)日本人はそういう見方に「洗脳」されていたと思う。
実際はどうなのかと改めて考えてみると両方とも当たっていると言って良さそうである。
両方とも当たっているとすれば、共通の理由がありそうだ。
日本共産党では前役員の不破さんが「資本論」の研究に力を入れていたので、大いに関係がありそうだが、しんぶん「赤旗」の記事を見る限り、今まで(難し過ぎて)余り関係なかった。同党の「民主集中制」は私から見ると「偽民主主義」なので、まずこれを改めてほしい。
最近は、資本主義が作り出した「偽民主主義」の下での政治の大混乱との関連もあって、国際的にマルクスと資本論の研究が脚光を浴びています。
註)斎藤幸平、100分 de 名著、カール・マルクス『資本論』、NHK(2021)
私の読書力では資本論には記憶もありませんが、この本は読みやすくて大いに役に立ちました。資本主義者に騙されたくない人には、お勧めします。
(4)実は人間は生まれつきサボリなのである。だから、無理は禁物である。山登りでも日本では約50分歩いて10分休む。外国ではその倍ぐらい歩くと聞いたおぼえがある。
近年、働かされ過ぎの労働者や、親から勉強を強いられた受験生の自死が多いことが気になる。前者は上記斎藤の本を読んでみよう。親子の育った時期の違いによる、意見の食い違い(洗脳が関連)はよくあること、強制は避け意思疎通を図りましょう。
しかし、これは人間だけではなくて、生き物は全てよく似た遺伝子などの材料によってできているから、休む必要性もかなり共通に近いと思われる。
(4-1)1990年代に米国で睡眠の研究が進み、休養の経済効果の大きさが、(タイタニック号の沈没事故を例に議論されたりして)注目された。
※ここで毎晩(昼寝でも)眠れず困っている人のために、すぐに寝られるトレーニングを紹介する。まず、寝床に入ったらモノを考える前に、大きく腹式呼吸で空気を肺に吸入して、一旦息を止めて酸素を吸収する。我慢できなくなったら勢いよく空気を吐き出し、続けて大きく空気を吸い込む。ここがトレーニングのポイント、しばらくするとあくびが出るようになるだろう。うまく行かない時は寝る姿勢を変えて見るなど工夫してみる。(私の場合、初めは横向きだったが、後から真上向きになった。)
熟練すれば、あくびを一つか二つすれば、そのまま眠てしまう。
(4-2)睡眠中に脳は盛んに、昼間に溜め込んだ雑多な記憶の整理をする。その結果、翌日は朝から良い考えが頭に浮かび、元気に仕事ができる。朝型人間と言われる人たちは実感があるだろう。実は睡眠には時々浅くなる時期がある(レム睡眠)。これも記憶の整理と関連があるが、詳細は略す。
註)佐藤七郎「細胞進化論」東京大学出版会(1988)
生物学の大学教員だった先輩に勧められて読んだ。ミトコンドリア内膜や機能の話は、上記の話と関連するが、若い時私が読むのに最も苦労した本である。私がボケ老人となった今はもう読めないため書名の紹介に止める。しかし、この本を読んだおかげで、今でも脳の働きに酸素が必要な事や、細菌だってバカにしちゃいけないことは、身に染みて分かっている。
さて、自分自身についてさえ、「洗脳」なんかされていませんヨ、つまり物事を常に正しく見ていますからネなどとは決して言えない。実は、これが「洗脳」の怖いところでもある。
それでは、「洗脳」の危険性を回避して、民主主義を徹底するにはどうしたらよいのだろうか。私の結論は、現在、義務教育に持ち込まれている「寡頭政治の偽民主主義」を、きれいさっぱり「システム科学」に置き換え、親子ともども、環境問題の緊急性に対応することである。これは我ながら妙案だと思う。多少の税金を使っても、人類の生存、世界平和に寄与できれば、「安い」ものだ。